最初にアイリッシュミュージックと僕との出会い、その素晴らしさ、その歴史、その音楽的特長、その代表的ミュージシャンなど説明が必要かとも思われますが、それをやるとまた大変な事になるので、又の機会に。少しだけ音の成り立ちを説明すると、ジグやリールと呼ばれるダンスチューンと(インスト)とバラッドと呼ばれている)ウタモノに別れ、(日本で言うスロー曲とは違い、ウタモノ全般を指す。ちなみに無伴奏のウタモノはシャンノースと呼ばれている。)パブで行われるセッションはジグやリール中心で、膨大の数がある短い楽曲を皆で次々と弾きつないでいくものです。とにかく、我ら夫婦がこうして何度もアイルランドを訪れるのは、街のいたるところにあるパブで、夜な夜な繰り広げらるトラッドミュージックのセッションを聴くという楽しみがあるからです。当然今回コークという都会ではさぞかし沢山のレベルの高いセッションが聞ける事だろうとものスゴ〜く楽しみにしてきたわけです。
それが.....。
コークはアイルランド第2の街。当然パブも沢山あります。
通常夜セッションが行われるパブの入り口には、”Traditional music
ever day from pm 9:30”
などと表示されているのですが、コークでは全くといっていいほど見当たりません。どこでもワールドカップの放送はされているのですが....。
あっ、あった...。
と思ったら、お店は営業していませんでした...閉店か...。
そう、あるのですよ看板は..。しかし...。
コーク滞在3日目、やっと見つけました。しかしここの演奏は正直いただけなかった。店の叔父さんにコークパブ事情を尋ねると、セッションを見せる店が随分減ってしまって、今ではここともう1軒くらいしかないという事でした。かなりのショック..。
こうして満足に音楽を楽しめないまま日々は過ぎていくのでありましたが、ドゥーリンに行けば、セッションを堪能出来る事がわかっていたので、そう焦る事もなかったのであります。
ちょっと飛んで、帰国前日。ドゥーリンからコークへ戻ってきた我らが見つけたミュージックショップ!中にはアイリッシュミュージックグッズが一杯!ここでは本を一冊購入。少しほっとしたのであります。こんな重要なお店を見落としていたとは....。やはりコークは広い。
そうこうしているうちに見つけたパブの看板!
ここは間違いない、やってるよセッション!
いいねいいねぇ〜!
夜の8時〜ギネス片手に最高のセッションを楽しみました。ここのレベルは無茶苦茶高かった。演奏者の真横に座っての数時間。
おお幸せ〜〜〜。

演奏者が途中でポツポツ帰ってしまい、その席にまた別の奏者が座りもの凄いプレーをするというのもスリルがあって良かったです。

この1日でコークの印象が随分変りました。要は『いい音楽』があれば、それで僕は良いのです。きっと。
平成アイルランド紀行 音楽/コーク篇