永世を探せ

頂上駅

夢に見そうな風景

もう一度来たい

大林ファンは皆撮るでしょう

模型みたい

何処まで続く?

この緩やかな坂道

これが尾道アート館!

国重文ですぜ旦那
2005年11月19日
平成永世まんだら紀行
尾道篇
尾道駅
坂の街

やまねこcafe。猫何処

オリジナルカップ?

”魚信”夢に見た部屋     
AM11:51分のこだまに乗って広島市を後にした僕らは、尾道を目指した。30分ほどで三原駅に到着。山陽本線に乗り換えしばらくすると車窓から瀬戸内海が見えてきた。少し曇り気味ではあるが柔らかな陽光が、海面に光を散らしている。10分ほどで尾道に到着。駅前のロータリーに出て後ろを振り返ると、山の斜面にへばり付くように建てられた家々が目に飛び込んでくる。やっとたどり着いた、あの大林映画の尾道だ。正面には瀬戸内海が堤防越しに見える。とは言ってもほとんど川のようで、数百メートル先には向島の岸が左右に伸びている。ここはフェリーや漁船などの海道、尾道水道と呼ばれている。その尾道水道を右手にみながら、行く筋かに別れた道の中から、商店街を探す。
僕らはこの旅行をするにあたり、大林宣彦の映画、尾道3部作と尾道新3部作の計6作を見ている。
この旅を倍楽しむためだ。だいたい今回尾道旅行を決めたのも、2人とも以前大林作品を何本か見ていて、
この場所に対する憧れがあったからである。
その大林作品にも頻繁に登場した商店街である。正直なんの変哲もなく、しかも..さ び れ て い る。(尾道商店街の皆さん、ごめんなさい!)でも、僕らにとっては構わない。ロケ地探しは宝探しに似ている。

10分ほど商店街を歩いて二人とまだ腹が減っている事に気づいた。電車の中で”たこむす”4個食べたのに...である。どうやらグルメ旅で胃が拡張しているらしい。(だいぶヤバイ)鼻をくんくんさせながら商店街を途中で海沿いに折れると、”やまねこcafe”なるカフェ〜を発見。即入る。店内には地元のアーティスト達の猫をモチーフにした絵やオブジェが飾ってあり、どれもポップで楽しい。二人でホットサンドのランチセットを一つ注文。これがまた美味かった。焼いたパンの香ばしさと、中の生ハムの程よい塩気が溶け合って舌を気持ち良く刺激してくる。徹底してグルメな旅である。気がつけば時刻は14:00前。ヤバイ!食べているうちに日が暮れてしまう。僕らは宿へと歩を進めた。

料亭旅館『魚信』(うおのぶ)は駅から尾道水道沿いを20分ほど歩いたところにあった。チェックインにはまだ早いのだが、みやこ蝶々似の素敵な女将が部屋へ通してくれた。僕らの部屋は二階の”須磨”。部屋に入るなり目に飛びこんできたのは尾道水道!海の見える部屋をリクエストしていたのだが、まさかこの宿で最高の部屋を取って頂けたとは!しかもこの旅館と、まさにこの部屋、大林映画に何回か使われているのである。部屋の窓は映画館のスクリーンのようで、瀬戸内を舞台にした物語が、漁船の描く波模様と共に進行していくようだ。早くも感無量である。

時刻は14:30。日の入りまでに残された時間は少ない.。まずは、尾道の”一番高い場所”を見ざすべく”千光寺ロープウェイ”の山麓駅へ向かった。宿からは10分弱歩いて駅に到着。20人乗りほどのロープウェイに乗り込むと、かなりの人が詰め込まれて発車。ガイドの女性も乗り込んで(珍しい)3分ほどの空中ブランコ。頂上にたどりつくと、そこは平らに整備された公園で、広い場所では無いのだがそこそこ人が集っていた。(千光寺公園)
そこからの尾道の眺めも素晴らしいのだが、三階建ての展望台に登って見た景色はもう涙ちょちょぎれのハナモゲラである。(素晴らしくて言葉にならないという意。古いですか?)瀬戸内海とそこに浮かぶ島々、山、小さな船、大きな船、寺、神社、家々、瀬戸内の秋の柔らかな日差し。まるで、模型のように全てがそろっているのである。いつまでも見ていたい景色だ。
とはいうものの秋の日は落ちるのが早い。坂の街の探検開始だ。まずは山頂から1kmに渡って続く散歩道”文学のこみち”をたどる事にする。この細い坂道や石段をくねくね曲がりながら下っていくと、ところどころに林芙美子や志賀直哉といった文人たちが愛し作品の中で表した尾道の風景に出会える。道沿いには名作の一節を刻んだ石碑が幾つも立っている。そこを少し下ると大林映画『転校生』に出てきた巨大な石を発見。記念撮影ですまし顔。
そこから数分で千光寺に到着。(まだ千光寺には着いていなかったのだ。ちょっとまぎらわしい。)ここは敷地が広く色々と見るものが多くて観光客も多い。ここから眺める景色もまた良い。寺を出て気の赴くままに下っていくと、尾道のイメージどおりの坂道が現れてまたまた嬉しい。民家も増え始めるが空家が多い。かなり朽ち果てていて、違う物が棲んでいる気配さえする。どういうことだろう?でもこれはこれで、尾道の雰囲気を壊していないのだから不思議だ。不思議ついでに『尾道アート館』なるものを発見。入り口にザルが置いてあって入館料100円とある。中に入ってみたが人っ子一人いない。空家を改装しようと思って途中で投げ出してしまったような内部。暗い中でスクリーンに何故か砂の嵐が映し出されていた。これはアート?しかし何故か腹は立たず(呆れたけど)、一応100円は置いてきた。

大林映画『あの、夏の日 とんでろじいちゃん』に出てきた天寧寺発見。ここは
国重文の三重の塔があったり500体の羅漢像があったりと楽しめるのだが、そんな事よりも映画に出てきた弥勒像の指がこの辺に落ちてとかetc.が僕らの重要事項であった。
次に天寧寺のすぐそばにある、『招き猫美術館in尾道』に入館する。ここには尾道の絵師、園山春二氏が紙や石、木に書いたり作ったりした招き猫、コレクション招き猫をところ狭しと展示した場所だ
園山氏の招福猫は尾道のいたるところにあって、街の一つのカラーになっている。(後からわかったが、尾道アート館もこの園山氏がプロデュースしているということだった。不思議なバランスだなぁ。)

突然現れます

無題1

無題2
無題3
無題4
招き猫美術館in尾道を出ると外は暮色に染まり始めていた。かみさんと顔を見合わせ、「間に合うんじゃない?夕陽」とどちらが言ったかは覚えてないが、僕らは再び頂上を目指した。今度は徒歩である。ほぼ下山していた状態だったので運動不足の身には堪えた。なにせ日没前に展望台に着かなければいけない。ロープウェイで3分の道のりをである。
と、思ったほどの事もなく10分ほどで展望台に到着。瀬戸内海に落ちていく夕陽を見る事が出来た。これに説明は要らないだろう。写真4枚公開、出血大サービスである。

陽が落ち、仄かな街灯を頼りに坂道を下り、宿へと向かった。

料亭旅館『魚信』

カワハギの湯引き、 胡桃豆腐等美味い!

おこぜの唐揚げ。頭から尻尾までいける!

グルメ旅のハイライト
雲丹飯!

尾道〜尾道〜
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