成田から途中、英国はヒースロー空港でのトランジットを挟んで、
約15時間。アイルランド南東に位置するダブリンに次ぐ第2の都市、今回の旅の拠点コークに到着します。

今回この街を選んだ理由は、まだ訪れた事が無いという事、国際空港があるという事、
地理的に今回訪れたい場所の拠点としてちょうど良いという事、
ダブリンに次ぐ街を歩き感じてながら、
夜はパブでのセッションを楽しみたい...というようなことが挙げられます。


しかし!当初はコークという街がうまく捉えられなくて、
少しばかり焦りを感じていました。

何故か?

まずは、歩いて周るには街が広すぎる事。
あの”地球の○き方”には
”徒歩で十分周れる”
というお得意のフレーズがコークの項の最初に書いてあるのですが....。
それが間違っているとは言いませんが、一日くたくたになって歩き続けて、
さて感想は?と問われても、
「.....疲れた。」となるのがオチです。
なんと言ったらいいか、一つ一つは良い表情を持っているのですが、全体の印象がぼやけてしまう。
それもこれも歩いて見るには街が広すぎるとしか言いようが無い。
かと言って、バスを乗りついで周るほどでもない。
(電車が市内を走っていればね....。)

第2の理由としては、パブからアイリッシュ・ミュージックが聴こえてこない!!
これはパブでのセッションを楽しみに来ているぼくとしては、かなりヤバイ状況でありました。
過去2回の旅で訪れた、ダブリン、ゴールウェイ、キーラーニー、エニス。
どの街のパブでも素晴らしいセッション毎晩行われて、
その感動がぼくをこの国に引きつけてきたのです。
コークには計5泊したわけですから、遠出したとしても、
セッションが行われる夜の10時頃には必ず市内に戻ってきていて、
夜な夜なセッションを求めて徘徊するのですが.......。

そんないささかネガティブな印象が最終盤
になって変わっていく事になります。
それは何故?
僕自身もこのアイルランド紀行を作成しつつ振り返ってみたいと思います。

全体の印象が掴みづらいといっても、
一つ一つは良い表情を持っています。
まずは街のセンター部分にあるEnglish Marketへ。

中はかなり広くて、生肉の匂いがちょときつ〜い感じ。
これはどこの国の市場に行っても共通ですね。
ここは市場内の数ある肉屋さんの中の一つ。
どういったいらいいか比較的穏やかな肉屋さんです。
ディスプレーが鮮や
か!
突然目を疑う!
各通り名を表示するプレートになんと、
”RORY GALLAGHER PLACE”の文字を発見!
これはかなりの感動でありました。
きっとこのあたりで生まれたとか弾いていたとかもしくは亡くなったとか...。
(ロリーギャラガーはアイルランドを代表する、白人ブルース、
ロック ギタリス&シンガー。1995没。享年46歳)
上のプレートの正面に、こんなオブジェが。
これが街のど真ん中にあるってのがカッコいい。
なんかいい街だなぁ...。
(ちなみに今ではコークの印象は◎となっておりますので。)

バター取引所跡&コークバター博物館
街の中央を流れるリー川。その北岸の丘にあるシャンドン地区

この下町の風情漂う一角にある牛印の建物。
コークは第1次世界大戦以前は世界最大のバター市場だったそうです。そのせいか、どの宿でもブレック・ファーストに付いているバターが美味しかった。
「kerry gold」というブランドが有名だそうです。
ご存知の方いらっしゃるかなぁ?
こちらもシャンドン地区に位置する、コークのシンボル的存在、聖アン教会。ここは有料で鐘楼に登って、鐘を鳴らす事が出来ます。
僕は登りませんでしたが、この地区にいる間、観光客が勝手に奏でる?何やら怪しげなメロディーがずっと聴こえてました。
鐘が複数あって西洋音階になっているようでした。)"ドレミの歌"とかetc。”アメージンググレイス”が流れてきた時には、中々の適材適所ぶりに感心しました。
聖アン教会から更に高い丘からの眺め。この辺りは住宅地かと思われます。中央に聳え立つのが件の教会。
前方にあるタンクにはおそらくビールが詰まっています。
そう、ここは”ハイネケン・アイルランド”の工場でありました。コークはビールの醸造でも有名だそうであります。

ここからの眺め、大友克洋の"ロケットボーイ”に出てきそうだなぁとか、坂の街尾道との共通点もあるなぁとか夢想に耽りながら、カシャカシャとデジカメのシャッター切っていったのでありました。

(ここまで登るのは、時差ボケの体にはちょっとこたえた。)
そのビール工場を接写したところ。
それにしてもアイルランドは酔っ払いが多い。
少なくも男性は常に飲んでいる...というイメージ。
シャンドン地区の子供達。
何処へ行くのでしょう?
その弐へ
平成アイルランド紀行 その壱